【長井先生コラム】「賢い子に育てる5つの方法、その2」 いい意味での競争をさせる
2024.03.28
前回の宿題「なぜ直角は90度?」という問題の答えから。
紀元前2~3千年頃、古代エジプト人は天空を見上げて星が1年365日かけて一回りすることはわかっていました。
最初は一回りを365等分していたのですが、2でも3でも4でも割れない厄介な数字なので、思い切って5をカットして360にしました。すると2、3、4、5、6で割れるなんと便利な数字ではないか…とわかり一回りを360度に決めたのです。これを4で割って直角90度になったのです。
さて、賢い子に育てる5つの方法―その2は、『いい意味での競争をさせる』ことです。
15年前に「フィンランドでは受験競争もなくイジメもない。」ということで視察に行きました。1クラス20人に教師2名。恵まれた教育環境下で生徒は競争することもなく現状に満足しているようでした。フィンランドの面積は日本とほぼ同じなのに人口はわずか550万人、これならいい教育ができるわ!…というのが私の感想でした。しかし2017年にはフィンランドは「ヨーロッパの病人」と呼ばれるほど国は衰退しました(現在は回復しているようですが…)。
子供は、親や教師が手取り足取りしていると、現状に満足して努力をしなくなります。基礎学力がないとか弱点を補強する場合には個別指導などは有効ですが、本来は同じ教室で何人かの生徒と悔しがったり励ましたりしながら競争することで学力は飛躍的に伸びていきます。
今、日本では大きな入試改革が行われており、知識偏重から想像力や思考力重視へとシフトしています。ペーパー試験だけでなく集団面接やプレゼンなどが今後の入試の主流となるでしょう。他の人の意見を聞きながら自分の意見を主張する……これは一人の勉強でできるものではありません。