【東広島のプロに聞く】怒り上手になるコツ
2019.07.11
「遊んでばかりいないで、宿題しなさい!」「部屋を片付けなさい!」。子育てをしていると、ついつい言ってしまうこの言葉…。 この「怒り」をうまくマネジメントする方法を、東広島市在住の日本アンガーマネジメント協会の村山紀子さんに聞いた。
Adviser
村山紀子さん
東広島市在住のマナー・コミュニケーション講師。
日本現代作法会総師範。国際コーチ連盟認定コーチ。
日本アンガーマネジメント協会認定ファシリエーター。
各地でアンガーマネジメントの講座を開く。
「怒る」は自然に湧き上がる感情。後悔しないよう上手に怒ろう、必要のないところで怒らないようにしよう、という「怒りの管理」を「アンガーマネジメント」という。近年、介護職や管理職の人をはじめ、普段のイライラをどうにかしたいという人たちが学んでおり、ニーズは高くなっている。
普段、あまり「怒ること」について考える機会はないが、図にすると左のようになる。心のコップに不安、痛み、悲しみなどのマイナスの要素が溜まっていき、あふれた時に怒りが湧き上がる。夏は、「暑い」というイライラが常にたまっている状態なので、ちょっとしたことでもコップがあふれる。
「ありがとう」「応援しているよ」などの声かけや、ショッピング、映画鑑賞、趣味などプラス要素となるアクションで、マイナス要素が打ち消せる。適度に息抜きをしよう。
人は誰しも「こう行動すべき」「子どもはこうあるべき」など、自分の「べき」を持っている。この「べき」を裏切られた時に怒りの感情が湧き上がる。
例えば12時に待ち合わせした場合、5分遅れた人に怒る人もいれば、1時間待たされても許せる人がいる。これは、それぞれに「待ち合わせ場所には5分前に到着しておくべき」などのラインがあるため。ラインを超えると怒りになる。
このラインの許容範囲を少し広げ、「ま、いいか」と思うことを増やしたり、「こうすると私怒るわよ」というラインを公表したりすることで、怒る回数を減らせる。
本当に許せない時には怒ってもいいが、そうでない時の「怒り」の言動はエネルギーの無駄遣い。
そうでない時を判断するのに役立つ考え方が右図。例えば、渋滞に巻き込まれた時、自分が怒鳴ったところで渋滞が解消されるわけではないので「変えられない」に振り分け。重要でなければ、好きな音楽を聞く、同乗者と話すなどして怒りを回避。
大切な約束に遅れるなど重要である時は、電話連絡をするなど、今の状況でできることを考えて、実行する。 重要であるときはアクションを、重要でないときは怒らない、といった判断で気持ちを整理すると、よりよい行動を選べる。
ザ・ウイークリー・プレスネット2019年7月11日掲載