おやこ特集 中学受験 適性検査(総合的な力を見る問題)で問われる力
2020.03.19
中高一貫教育校が3校ある東広島市。中学受験への意識が高い家庭が多い、という声をよく聞く。その中で話題になるのが、公立中高一貫教育校の中学入試で使われる「適性検査」。国語的とも算数的ともいえる問題で、親世代のほとんどが経験のないテスト。「適性検査」ではどういった力が問われているのか、県立広島中学校の矢原豊祥教頭に聞いた。(茨木あゆ)
一般的に「適性検査」では、従来の私立中学入試のような教科別の試験とは違い、総合的な問題が出題される。小学校の6年間で得た知識と技能を活用して、①さまざまなことに関心を持ち、②その中に疑問点や問題点を発見して、③自分なりの方法で解決の筋道を立て、④さらにそれを他者に分かりやすく示すことができるか、が問われる。
県立広島中では2004年の創立以来、算数・理科的な問題を出題する適性検査Ⅰ(5~6問/50分)と、国語・社会科的な問題を出題する適性検査Ⅱ(3問/45分)を入試に取り入れ、志望理由、出身小学校からの調査書と合わせて、校訓に定める「高い知性」「豊かな感性」「強い意志」に適性する生徒かどうかを判断している。適性検査について矢原教頭は「小学校段階で身に付けた力を総合的に見ていくもの。ただ暗記するのではなく、しっかりとした国語、算数、理科、社会の基礎に加え、文章を読む力、計算する力、表現する力が必要になります」と話している。
家庭での心掛け
「適性検査」で問われるような力を身に付けるためには、普段からどのような心掛けをすればいいのか。学習塾などでは、次のようなことを勧めている。
◆身近な生活の中で起こる出来事から課題を見つけ、なぜだろう、不思議だなと感じたことを、発展させ、掘り下げて考えてみる。
◆学習したことを、他の教科や学校生活・家庭生活の中でも活用・応用してみる。教科にとらわれない視点で物事をとらえてみる。
◆新聞やテレビニュースを見て、そのことについて考えを書き出してみたり、家族で話し合ったりする。
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県立広島中学校の入試問題に挑戦!!
昨年度の適性検査Ⅰに出題された左の問題を見ていこう。
乗り物の時速や料金表、簡単な路線図が資料として示されている。
問題文を読むと、「予算600円以内」「乗り継ぎも考えて50分以内」など、いくつかの条件が与えられている。矢原教頭は「6年生の算数で出合った“速さ”の学習が使えそうですよね。
しかし、計算するだけでは解けない。文章や資料を読み取る幅広い読解力と、算数的な思考力、条件を整理して考える論理的思考力が必要になる問題です」と解説。さらに「時間がたっぷりあれば解ける問題かも知れません。しかし、こういった問題が適性Ⅰには5~6問あるので、1問を10分もない時間で解き進める力も必要になります」と話す。※正解は複数あり、公表はしていません。
県立中学校のホームページで、この他の問題も見ることができます
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東広島市の子育てアンケート
中学受験編
Q.中学受験を考えていますか。 「はい」と答えた方 Q.受験する理由は何ですか。
・高校受験をしたくないから。(小4男子/40歳・母)
・仲がいい子が受験するから。(小5男子/38歳・母)
・本人が行きたいと言っているため。(小2女子/40歳・母)
・高校受験のハードルが取り除かれ、
6年間を通して学力が身に付けられると思うから。(小6男子/41歳・母)
・子どもがしてみたいと言ったから。(小5女子/35歳・母)
Q.受験対策は何歳から始めましたか、また始めますか。
平均 10歳
※プレスネット2020年3月19日号掲載記事より