親子で楽しく過ごすコツ♪ 長~い休みを有意義に!
2020.08.13
小・中学校、高校の全国一斉休校に伴い、急きょ長い休みが続いた今年。「毎日のルーティンが乱れる」「子どもの生活リズムの崩れが気になる」など、イライラ、モヤモヤしている親も多いかと。家族で過ごす時間が増える子どもの長期休暇を、親子で有意義に過ごすための工夫を、広島国際大学の鈴木佳奈准教授に伺いました。
「どう過ごすか」考えるいい機会
小学生の子どもがおり、現在テレワーク中の鈴木准教授が実践しているのが、親子のスケジュール表作り。親のスケジュールを骨子に、親と子2本立ての計画を立てて、両者が両方のスケジュールを把握できるようにしましょう。
ポイントは、親自身が、家事や仕事、趣味などの「自分の時間」を確保して、同じ家にいながらも子どもと離れた時間、空間をつくることです。「休みだからといって常に一緒にいなくてもいい。子どもが親に頼らない時間も必要。親が自分の時間を過ごしている間、その時間をどう使うのか、子ども自身が工夫して考える機会になる」と話す鈴木准教授。
親子で1日の過ごし方を決めよう
学年による特徴
低学年
細かい部分まで一緒に計画を立てましょう。まだ時間の感覚があまりない低学年の子どもには、親がチャイム係になって時間の区切りを意識した声掛けをしてあげましょう。
中学年
午前中に宿題と散歩、午後からゲームと読書など、大まかな柱を立てて、細かい部分は子どもに計画を立てさせましょう。1時間おきに声を掛けるなど、時間を意識させる働き掛けも必要です。
高学年
朝食・昼食・夕食などを基準に、ほとんどの部分は子どもに計画を立てさせます。思春期の入り口、干渉し過ぎないように気を付けながら、親のスケジュールの合間などに声掛けをして、一緒に過ごす時間をつくるようにしましょう。
・散歩や外遊び、カードゲーム、クロスワードパズルなど親子で楽しめる時間を取り入れよう!
・ご飯の準備や洗濯物の片付けなど、ちょっとした手伝いをさせよう!
約束を破ったら…
「計画通りの行動」当たり前ではない
スケジュール表を作って1日が始まると、「約束の時間になってもゲームをやめない」「スケジュール通りに動けない」など、子どもの「やらない」「できない」にかえってイライラすることも。鈴木准教授は「スケジュール通りにやって当たり前だと思い込んでしまいがちだが、スケジュール通りに動くのは大人でも難しいもの。子どもが約束を守った時にこそ、ポジティブな声掛けをしてあげることが大切」と話します。
しかし、約束を守らなくてもいいわけではありません。スケジュール表はいわば親子間の約束でもあります。鈴木准教授は「親子の間だけでなく、友達の間や学校での決まり事など、守れなかった時に人に迷惑を掛けてしまう約束もある。約束が守れなかったことでどういったデメリットがあるのか、知らせて理解させることも必要」と説明。
とはいえ、「できなくて当然」と思いながらも、親はイライラ、モヤモヤしてしてしまいますよね…。鈴木准教授は「親にも子どもにもそれぞれの思いがあって、ぶつかり合うことは仕方のないこと。親子のけんかは、人の心の動きを学ぶ機会、けんかの仕方を学ぶ機会にもなるので、悪い事ではない。時間を置いて冷静になった時に改めて話し合うといい。また、夫婦で一緒になって怒るのではなく、どちらかが緩衝材になって、子どもに逃げ道を残してあげることも必要」とアドバイス。
学年による特徴
低学年
時間通りに動けなかった時、約束を守れなかった時にどういったことが起こるのか、まだ自覚できない年代です。ゲームやテレビなど、子どもにとって楽しい事を優先させてしまうのは自然なことなので理解してあげましょう。
中学年
他人の心の中を想像できるようになり、決められた事ができなかった時に、他人にどういった影響を及ぼすのか考えられるようになりはじめます。楽しい事とやらなければならない事の間で葛藤もできます。また、それぞれの家庭によって、違う約束があることに気付く年代です。
高学年
大人と同じ判断ができるようになります。楽しい事よりも、やらなければならない事を優先できるようになりはじめる頃です。それでも、物事がうまくいかなくてイライラする時や、時には親に甘えたい時もあるのでしっかりと気づいてあげましょう。
・子どもの「できた」に注目して、ポジティブな声掛けをしよう!
・親は、年齢や子どもの気質によって「できること」と「できないこと」があることを知ろう!
※プレスネット2020年3月19日掲載記事より