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  • 【長井先生コラム】「スマホに子守を頼んだツケ」
  • 【長井先生コラム】「スマホに子守を頼んだツケ」

    2024.09.24

    Dr.長井の子育て&家庭教育マニュアル

     

    金切声を出す幼児

     先日、近くにある大型スーパーにあるレストランでモーニングを食べていると、隣の席に家族が座り、楽しく会話をしているのですが、2~3歳の幼児だけはずっとスマホのゲームをいじっていました。食事が運ばれ、母親が食事を摂るように促すのですが、ゲームをやめようとしません。こんどは父親がスマホを取り上げようとしたその時、その幼児はレストラン中に響く「キィ——–」という凄まじい金切り声をあげました。父親は慌ててスマホを取り上げることをやめ、金切り声は鳴り止みました。

     

    3歳までの脳

     3歳までの子は、まだ十分に脳が発達していないので、幼児は親との一対一の学習で少しずつ言葉の情報を学んでいかなければなりません。そんな言葉の習得が不十分な3歳までの幼児に、スマホからの映像やイメージなどの大量の情報を一気に注ぎ込むと、情報を処理できないどころか、自分の感情をコントロールできなくなり、人とのコミュニケーションができない子に育ってしまいます。小さい子供の育児を長時間スマホやテレビなどに任せていると、親の口から発せられた言葉を十分に理解できず、また、自分の気持ちを相手に伝えることもできず、金切り声を出すことしかできなくなります。

     

    ではどうすればいいのか

     急にスマホを取り上げてはいけません。一般に人間の脳は現状を正常な状態と認識してしまい、環境の大きな変化を拒みます。少しずつスマホを見させる時間を減らし、一対一での対応に変えていくのがいいでしょう。なかなか根気のいる作業ですが今までのツケが回ってきたのですから仕方ありません。

     

    プロフィール
    大学卒業後、数々の職業を経て広島大学医学部に再入学、予備校衛星講師として東京出講、参考書執筆。一方で精神科病院を経て、現在、医療法人ハンス理事長。元岡山大学医学部臨床教授。医療と並行して学習塾長井ゼミハンスを経営するなど医療と教育のエキスパート。テレビ出演や講演などで幅広く活躍。

     

    コラムのまとめはこちらから link-out.png

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