子どもとスマホ どう付き合う? 専門家に聞いてみた
2020.03.19
スマホを所有する子どもたちは増えています。スマホは使い方次第でいろいろなことを便利にしてくれる楽しいツール。わくわくしている子どもたちも多いはず。一方で、正しく使わないとさまざまなトラブルに巻き込まれるのもスマホの負の特徴です。総務省中国総合通信局に、スマホを正しく使う方法などについて話を聞いてみました。
文科省のデータによると、小中学生の携帯電話・スマホ所有率(平成29年度)は、小学6年生で63・3%、中学3年生で83・9%に上ります。所有率は年々増加傾向にあり、学年が上がるにつれ、スマホを所有する割合が高くなっていくといわれています。つまり子どもたちとっては、今やスマホは日常生活に欠かせないツールです。
スマホは、ラインやインスタグラムなどのSNSの他に、さまざまなアプリを入れることで、活用方法はぐんと広がります。スマホなどのデジタル機器を活用したICT教育が学校現場で急速に普及しているのはその表れです。使い方によっては、立派な勉強ツールにもなります。
ただ、スマホは闇の部分をしっかり知って使わないと、簡単に加害者や被害者になってしまうのも事実。長時間のスマホの使用は、生活リズムが乱れ、 視力低下 や 睡眠不足 など、健康に害を及ぼすことが指摘されています。
また、スマホは交友関係を広げるツールになるが、 SNSを利用したいじめなどのトラブル も後を絶ちません。ネットのサイトの活用が取り返しのつかない犯罪や詐欺被害に巻き込まれるケースも増えています。
では、子どもたちがスマホのトラブルに巻き込まれないためには、どう対応すればいいのでしょう。同通信局の熊野健策電気通信事業課長は「フィルタリングやペアレンタルコントロールを活用した上で、親子の間でスマホの利用時間や場所、利用目的など、 スマホを使うルールを決めること が第一歩」と指摘します。
その際には、「子どもは、身近な大人を手本にする。話し合いの際には、親もスマホの利用を見直し、 親が率先して手本を示すことが大切です 」と強調する。子どもがスマホを使う時期も、何歳からというガイドラインがないため、家族できちんと確認することが重要という。
さらに、親子のルール作りと合わせて、「○時以降はラインをしない」など子ども同士でルールを決めることや、親がスマホの機能を理解することも、スマホトラブルを防止する大きなポイントです。
ルール作り
Q.子どもがゲームをしたいと言います。親はどう対応したらいいでしょう。
A.子どもをゲームで遊ばせる場合は、保護者がゲームの内容や使用時間について判断し、上手にコントロールしてあげることが大切です。
Q.ゲームの内容が、子どもに遊ばせてよいものかどうか、正しく判断するにはどうしたらよいですか。
A.ゲームソフトやアプリに表示されている「〇歳以上」という年齢区分マーク(レーティング)を活用しましょう。
Q.子どもがスマホやゲームに熱中しすぎて生活リズムをちゃんと守れるか心配です。
A.使用時間などをルール化して、生活リズムを守るよう促します。フィルタリングをはじめとするペアレンタルコントロールを活用し、使用時間や利用環境を整えてあげましょう。
Q.何歳からスマホを与えましたか、また与えようと思いますか。
一番多かった意見は…
高校入学時の15~16歳
最低…………6歳
最高………18歳
Q.スマホを与えている方、スマホルールを教えてください。
・夜平日20時30分まで、休日22時30分まで (小1女子/31歳・母)
・親の使っていたものなので、ラインとかはできないけど、YouTubeは一日一時間と決めている(小6男子/43歳・母)
・一緒にできるだけ見る。有害サイトは見ない(ブロック機能を抜けるものがある)(小2女子/42歳・母)
・寝るときはスマホはリビングに置いておく。勝手にアプリはダウンロードしない。ツイッター、インスタは見ない・しない。安心フィルターをかける(小4男子/34歳・母)
・食事中には触らない。自分の部屋には持っていかない(小5女子/43歳・母)
・親や家族とのラインしか開かない(小5男子/41歳・父)
Q.スマホと子どもの付き合い方で、特に心配なことは何ですか。
やはり、SNS上でのトラブルを心配している方が圧倒的に多いようです。
SNS・スマートフォンなど利便さの裏にある怖さも理解しながら使用しましょう。
※プレスネット2020年」3月19日掲載記事より